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火を噴く龍
春はあけぼの、五月は夕べの空にその美を尽くす。その日の空も暮れなずんでうすももいろであった。うすむらさきでもあった。そこへ不意にもうもうたる黒煙を見た。
「やっぱりこの谷だった」
車は左へカーブを切って煙に向かって走る。二本の太い煙突からうねり出る黒煙は近づくにつれて生きものになった。
窯に火が入ったと聞いて訪ねた谷だった。巨大な登窯は正に火を噴く龍であった。山の傾斜を利用して粘土で築かれた窯には下室・中室・上室と小さな窓があって、窯口で焚かれる火は各室を登りながら、窓という窓から火を噴いて温度を調整するのだという。訪ねた夜は火も最高潮で、小窓から噴く火は鶏のトサカとなり、女の髪となり、蛇の舌ともなって龍(窯)はからだをうねらせながら低く吠えつづけるのであった。

煙突の下のまっ赤な男たち

 と机上で作ったのはふた昔も前。私の空想の中で火夫のからだは文字通り炎の匂いで迫った。
その光景が今、目の前にある。男も女も汗みどろの火の塊。炎の色を見ながら松割木をくべる。一回二十五本。軍手または皮手袋をはめて脚ぐらいの皮つき割木を放り込む。木は渦なす炎の上をすべって忽ちにして火と化す。巨大な龍は息をする。ゴォーともきこえ、びゅーッともきこえるそれは、人間の心音の拡大音に似て規則正しく窯は波打つかに見えた。火は赤であり、黄であり、紫であり白である。レモンと白をこきまぜた渦は最高温度であろう。その刻、窯の中の陶器や磁器が瞬間の姿を見せてくれる。白光の中の純白。極限を私は見た。やわらかい土では姿も形も無になるのだという。
さもありなん、この灼熱地獄。窯主の眼光もまた火である。弟子たちも火である。
びっしょり汗をかいて小憩の草の上。ここからは二本の煙突が見える。五月闇にそそり立つそれは時に美しい紅の火を噴く。しかしその火のやさしさは何なのであろう。二つの炎は揺れて寄り添い、たゆとうては消える。
「まるで夫婦のようですね」
龍は相も変わらず轟々と生きて燃えつづける。窯の中の者たちよ、耐えて死んで美しく蘇生《そせい》しておくれ。私はいつの間にか火の中へくべた二人の人間を見ていた。二体はひとつになり得ず白光の白骨もやがて溶けた。

窯は火の龍たり龍に呑まれゆく
柿の葉の裏をみつめていた男女
窯鳴りの轟々たれば人黙す
松割木おんな次々火の窯へ

 やがて龍は死に陶が生まれる朝が来る。

窯を出て壺は一羽の鳥と遇う
耳鳴りはとうから蜂は今誕《う》まれ

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