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「ひとつだけ、守れた約束」

 長男は、忘れる。なんでも忘れる。小学生の時から提出物をまともに出したためしがなかったが、中学生になって初めての三者懇談で、英語と国語の宿題が一度も出ていないと先生に指摘された時は、背筋を冷たい汗が流れた。どヤンキーが先生に反抗してわざとというならまだわかる。が、ノンワイルドな彼には毒気のかけらもない。ただ、覚えていられないのである。 勉強はどうかというと、これが特に困っている様子がない。数学など、彼曰く覚えることが少ないという理由で得意ですらある。

 「お母さん、今度の数学完璧。百点かも」

 最後に音符マークがつく位の勢いで報告されたが、返ってきたテストは満点ではなかった。最後の筈えの六百四十円の円という単位を書き忘れて減点されたのだ。やはり、忘れるのである。

 だが、不思議なことに、友達と遊ぶ約束だけは忘れたことがない。感心するほどだ。

 ある土曜日のこと。用事が終わってから友達と野球をする約束をしていた。野球をする公園は、家の前をまっすぐ南へ二分の所にある。車で行く道すがら公園で友達の姿を確認し、用事が終わってから家までの帰り道に、もう一度その公園の前を通った。そして家に着くなり、今から行くからな、と友達の携帯にかけて大急ぎで自転車で出て行った。が、二十分ほどして、その友達から家に電話がかかってきた。まだ着かないという。

 きつねにつままれたような気持ちで、帰ってからわけを聞いてみると、なんと遊ぶ公園を間違えて、十分以上もかかる遠い公園まで行ってしまったというのだから驚いた。

 間違えるって、たった今用事への行き帰りに二回も通った家からまっすぐの公園と、細い道を入って信号をいくつも越えなければならない遠い所にある公園とを、どうやったら間違うことが出来るのだ。呆れて顔を見ていると、何となく私の目を避けている。瞬間閃いた。…また忘れたな…。思わずため息が出る。友達との遊ぶ約束は忘れないが、遊ぶ場所は忘れてしまうのであった。

 そんな彼が、ずっと守り続けている約束事が一つだけある。それは、弟を可愛がるということである。小学六年まで一人っ子だった長男が、十二も年の離れた弟をどういう風に迎え入れるのかが心配で、「あなたが産まれた時は、お父さんとお母さんの二人家族だったから、二人で大切に育てたの。今度は三人で新しい家族を迎えるんよ。あなたが感じるのと同じくらい幸せだって思えるように、可愛がって育ててあげようね。そしたらきっと、すごく懐くよ。兄弟仲良くするんよ。約束ね。」としつこく言っていたのだ。長男は、黒目の小さいカワウソのような目をしばたたかせて、素直に頷いていた。

 次男が産まれて一年あまり、約束どおりせっせと可愛がっている。お風呂も、長男が毎日入れると何故かだんだん薄汚れてくるという不思議さはあるものの、快く入れてくれるし、湯船の中では、ひび割れたお経のようなコブクロを歌って聴かせてくれる。そして、もう少しものがわかるようになったら、自分のお小遣いで絵本を買ってあげると言っている。離れて産まれた弟を心底可愛がっている姿は、なんとも愛おしい。こんなに何でも忘れる息子だけれど、一番大事なことは、やっぱり忘れないんだなと嬉しくなる。だから、ある日、長男に言ってみた。「お母さんとの約束、守ってくれてありがとう。航が心哉を可愛がってくれるの、お母さん本当に嬉しいよ」

 「…約束?…」

 え…?しばしの沈黙が流れた後、思わずばたーんと倒れそうになった。

 忘れていたのに果たしていたのだとしたら、それは約束を守ったことになるのだろうか?…いや、きっとそうだ。そういうことにしておこう。

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