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「子育て奮闘記 お助けマンは、ロックミュージシャン」

 「実加ちゃん約束してくれる、そんな服装はしないって」 午前三時、ラジオからミュージシャンの智さんが、娘の実加に呼びかけた。

「君にはまだ早いそんな格好は」

 二階の部屋で聞いている実加の胸の鼓動は今、最高潮に達しているに違いない。階下で同じ放送を聞いている私にもその胸のさざめきが伝わってきそうだった。一ファンにすぎない彼女を、名指しで呼んでくれた憧れの人の忠告を、受け入れない筈はない。

 そんな計算を十分した上で、私は智さんが担当する深夜番組の「お悩み相談」コーナーに投書した。誰にも相談するあてがない私には、彼が味方になってくれたら百人力、いや、「鬼に金棒」と、強い思いを持っていた。

「お母さんが言うように、中一の女の子が着て似合う服ってあると思うよ」

「君がもう少し大きくなるまでお預けだね」

 番組の終盤で読まれた投書の主が大人で、自分を応援してくれていると知って、彼は自分もそんな素敵なお母さんが欲しかったと、私をしきりに持ち上げた。娘はどんな気持ちでこれを聞いているのだろうか。

 ともあれ、投書が採りあげられ、母の思いを、彼女の憧れの人に代弁してもらえただけでも、作戦は成功した。

 ラジオのスイッチを切った途端だった。階段を駆け降りる大きな音がした。実加が部屋に入って来て、布団の中の私に、いきなり覆い被さるようにして抱きついた。

「ママ、ラジオを聞いていたんだね。ぜんぜん気がつかなかった。これからは、智さんが言ったことを守る」

 涙やら鼻水やらで、くしゃくしゃになった顔を私に向けると、唸るような声で言った。

 のしかかる娘の重みに耐え、一方では、してやったと心地が良かった。

 ここ一、二か月、私は満足に寝ていない。殊に木曜日の深夜一時から三時までは、娘と同じ放送を聞くために起きていた。彼女には内緒で。仕事中に眠気がさすかもしれない。覚悟の上のこと。そういう思いは、近頃の実加が、いったい何を考え、どうしたいのか、同じ電波を共有することで、手がかりになる糸口を見付けたいという一心からである。

 彼女の生活が見えなくなり、荒れが始まったと感じられるようになったのは、中学へ進学して、三ヵ月ほど経ってからだ。帰宅すると朝食がそっくりそのままになっている。遅刻していることも彼女の担任から聞いていたが、それがここのところ毎日続いているらしい。理由を問い質しても、ろくに返事が返ってこない。

 目に見える変化は、先ず服装に表れた。一緒に買い物に行きたいからと、着替えてきた服装を見て唖然としてしまった。黒いブラウスに、黒いロングスカート、おまけに頭に黒いバンダナまでして全身黒ずくめのスタイルだ。買い与えた覚えの無い洋服を見て次の瞬間、私は、階段半ばにいた娘を、ブラウスの袖ごと夢中で掴み、引き摺り降ろしていた。

 ついこの間までランドセルを背負っていたのに。これが格好いいと本人は得意気だ。母子家庭で、子供に目が行き届かなかったつけが、回ってきたのだろうか。

 彼女の言葉の端々から、今流行りのロックバンドにはまっているらしいことが分かった。黒ずくめのスタイルもそのバンドの真似で、毎週木曜の深夜番組に出演していて、実加がそれを聞いているらしいということも。

 深夜放送を聞くようになって一ヵ月後、私は、採用してもらう手段として、宛名を毛筆で書き、悩める母として番組に投書した。

 あれから何年経つのか。目下、娘は新米教師として奮闘している。ロックバンドも智さんも、メディアの表舞台に、姿を見せなくなった。

 今でも彼女は、中学生の頃と変わらない格好で、智さんとの約束を反故にしていない

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