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「てんとう虫のサンバ」

 無農薬野菜を家族に食べさせようと思い、日当たりの良い場所に手を加えて、小さな畑を作った。素人にも栽培しやすいチンゲンサイの種を、丁寧に蒔き覆土した。ジョロで水をまいていると、どこからともなくてんとう虫が飛んできた。もり上がった背中の七星が、メルヘンの世界に誘っているようで、何年ぶりだろうかと、目を細めて土を這うその仕草を楽しんだ。 子供達が小学生の頃住んでいた家には、小梅の若木があった。夏ともなると、緑色のアブラ虫が幹から枝へとうごめき、それをてんとう虫が飛んできて食べるという自然の法則を、目の当りで見てきた。

「アブラ虫は害虫だから、害虫を食べるてんとう虫は、益虫じゃ」

「てんとう虫にも、種類があるよ」

 昆虫好きの息子が、目を輝かせて次々と教えてくれ、座り込んで聞き入っている娘と私の姿が、ふっと思い出される。折りしも“てんとう虫のサンバ”という歌がヒットしており、よく口ずさんだものだった。

 チンゲンサイの成長が楽しみで、水やりに余念のないある日、“あっ”と、息がとまりそうになった。黒い幼虫が、あちこちについて葉を食べている。これは一大事とばかり、割箸で虫をとっては目をつぶって殺し、穴のあいた苗は間引いて捨てた。

 秋雨が続き、窓から見るチンゲンサイは緑もこく葉も立派で、収穫時を迎えていた。大きなザルを持って畑へ出ると、大きくなった葉にこれまた大きくなった黒い虫が服地の模様のようにくっつき、残酷にも筋だけ残して、食べ尽くしている。

「ヒャー、何よこの虫は」

 驚いて声をあげた所へ帰宅した息子が、サナギになる一歩手前の虫を見て、

「背中を見てごらん、てんとう虫じゃ」

「虫も無農薬が旨いと言ようる」

 簡単に言い残して離れる息子の一言は、一層私を惨めな気持にさせた。

「てんとう虫がしゃしゃりでてーっと」

 やけを起こして、演歌調になったサンバをうなりながら、今一番の楽しみだった無農薬のチンゲンサイを、憤りの中で抜いた。

「来年の事もあるから、てんとう虫を見たら、成虫でも幼虫でもつぶしてよ」

 夕食時、いきりたつ私の言葉を、高校生の子供達は軽く微笑んで受け流している。思えば二人の幼なかった時、虫にも愛情を持つようにと教えた私が、立場変ってこうなるとは、おかしさが込みあげてくる。

 秋の夕、抜き残したチンゲンサイの穴だらけの葉の上で、てんとう虫が忙しく動き回っている。その様子は何とも愛らしく、リズムにのった“てんとう虫のサンバ”が聞こえてくるようだった。

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