胡桃沢耕史

黒パン俘虜記1-1

      1  ぼくの二十歳の誕生日は、当人が思い出しもしない...

黒パン俘虜記1-2

      2  砂漠をトラックで運ばれて、この首都に到着したと...

黒パン俘虜記1-3

      3  首都とは名ばかりで、川の両岸にフェルトの移動天...

黒パン俘虜記1-4

      4  食事はみち足り、作業は無く、居住区は広々と快適...

黒パン俘虜記1-6

      6  ぼくには毎月十二日、十三日、十四日の三日間は、...

黒パン俘虜記1-5

      5  春になり氷が溶けてきて、耳や、手足は、凍傷の心...

黒パン俘虜記1-7

      7  五月一日が来た。帝国側の督励と、収容所側の協力...

黒パン俘虜記2-1

      1  関西極道の赤穂の小政が支配する、収容所の新しい...

黒パン俘虜記2-2

      2  幸いぼくは、映画講談という芸のおかげで、小政た...

黒パン俘虜記2-3

      3  二日間は無事だった。やっとのことで十二日になっ...

黒パン俘虜記2-4

      4  死体の倉庫と解剖室に挟まれていなかったら、一つ...

黒パン俘虜記2-5

      5  五日ごとに死体が三十個たまる。すると埋葬の車が...

黒パン俘虜記3-1

      1  食事をともにしながら談笑する習慣は、人類が共同...

黒パン俘虜記3-2

      2  二月の二十五日の昼ごろ車が一台やってきた。乗用...

黒パン俘虜記3-3

      3  六週目の公演に入ったとき、ぼくは生涯絶対に忘れ...

黒パン俘虜記3-4

      4  ぼくの好きな岡本かの子の小説の題名のように、季...