森鸥外

青年(01)

     壱  小泉純一は芝日蔭町(しばひかげちょう)の宿屋を出て、東京方...

青年(02)

     弐  二階の八畳である。東に向いている、西洋風の硝子窓(ガラスま...

青年(03)

     参  初めて大石を尋ねた翌日の事である。純一は居所を極めようと思...

青年(04)

     四  初音町に引き越してから、一週間目が天長節であった。 瀬戸の...

青年(05)

     五  純一は机の上にある仏蘭西(フランス)の雑誌を取り上げた。中...

青年(06)

     六  天長節の日の午前はこんな風で立ってしまった。婆あさんの運ん...

青年(07)

     七  幹事らしい男に案内せられて、梯子を登って来る、拊石という人...

青年(08)

     八  純一が梯子段の処に立っていると、瀬戸が忙(いそが)しそうに...

青年(09)

     九  十一月二十七日に有楽座でイブセンのJohnGabrielB...

青年(10)

     十    純一が日記の断片 十一月三十日。晴。毎日几帳面(きちょ...

雁(01)

     壱(いち)  古い話である。僕は偶然それが明治十三年の出来事だと...

雁(02)

     弐(に)  そのころから無縁坂の南側は岩崎の邸(やしき)であった...

雁(03)

     参(さん)  岡田は虞初新誌(ぐしょしんし)が好きで、中にも大鉄...

雁(04)

     肆(し)  窓の女の種姓(すじょう)は、実は岡田を主人公にしなく...

雁(05)

     伍(ご)  金の事より外、何一つ考えたことのない末造も、お玉のあ...

雁(06)

     陸(ろく)  松源の目見えと云うのは、末造が為めには一(いつ)の...