【門出】 男もすなる日記(にき)といふものを、女もしてみむとて、するなり...
【送別の宴】 二十五日(はつかあまりいつか)。守の館(たち)より、呼びに文(ふみ)...
【船 出】 二十七日(はつかあまりなぬか)。大津より浦戸をさして漕ぎ出(い)ず。か...
【元日】 元日。なほ、同じ泊りなり。白散(びやくさん)をある者、「夜の間...
【大湊の泊】 (一) 七日になりぬ。同じ湊(みなと)にあり。けふは白馬(あ...
【大湊の泊】 (二) かくて、この間にこと多かり。けふ、破籠(わりご)持た...
【宇多の松原】 (一) 九日のつとめて、大湊(おほみなと)より奈半(なは)の泊(とま...
【宇多の松原】 (二) かくあるを見つつこぎ行くまにまに、山も海も皆暮れ...
【羽根】 十日。今日は、この奈半(なは)の泊(とまり)にとまりぬ。 十...
【暁月夜】 十七日(とをかあまりなぬか)。くもれる雲なくなりて、暁月夜(...
【安倍仲麿の歌】 十九日(とをかあまりここぬか)。日悪しければ、船いださ...
【かしらの雪】 二十一日(はつかあまりひとひ)。卯(う)の時ばかりに船出...
【海賊の恐れ】 二十三日(はつかあまりみか)。日照りて曇りぬ。「このわた...
【子の日の歌】 二十九日(はつかあまりここぬか)。船いだして行く。うらうらと照りて...
【阿波の水門】 三十日(みそか)。雨風吹かず。海賊は、夜、歩きせざなりと聞きて、夜...
【黒崎の松原】 二月(きさらぎ)一日。あしたの間(ま)、雨降る。午刻(む...