枕草子

【春はあけぼの】~第一段

 春はあけぼの。やうやう白くなり行く、山ぎは少しあかりて、紫だちたる雲の細くたなびき...

【三月三日は】 ~第四段

 三月三日は、うらうらとのどかに照りたる。桃の花の今咲き始むる。柳などをかしきこそさ...

【思はむ子を】 ~第七段

 思はむ子を法師になしたらむこそ心苦しけれ。ただ木の端(はし)などのやうに思ひたるこ...

【すさまじきもの】 ~第二十三段(一)

(一) すさまじこもの。昼ほゆる犬。春の網代(あじろ)。三、四月の紅梅の衣(きぬ)。...

【すさまじきもの】 ~第二十三段(二)

(二) 児(ちご)の乳母(めのと)の、ただあからさまにとて出でぬるほど、とかく慰めて...

【すさまじきもの】 ~第二十三段(三)

(三) 除目(ぢもく)に司(つかさ)得ぬ人の家。今年は必ずと聞きて、はやうありし者ど...

【憎きもの】 ~第二十八段(一)

(一) 憎きもの。急ぐことあるをりに来て長言(ながこと)するまらうど。あなづりやすき...

【憎きもの】 ~第二十八段(二)

(二) ものうらやみし、身の上嘆き、人の上言ひ、つゆちりのこともゆかしがり、聞かまほ...

【憎きもの】 ~第二十八段(三)

(三) また、物語するに、さしいでしてわれひとりさいまくる者。すべてさしいでは、童も...

【心ときめきするもの】 ~第二十九段

 心ときめきするもの。雀(すずめ)の子飼ひ。ちご遊ばする所の前渡る。よき薫(た)き物...

【虫は】 ~第四十一段

 虫は 鈴虫。ひぐらし。蝶(てふ)。松虫。きりぎりす。はたおり。われから。ひを虫。螢...

【あかつきに帰らむ人は】 ~第六十三段

  あかつきに帰らむ人は、装束などいみじううるはしう、烏帽子の緒...

【頭の中将の】~第八十二段(一)

(一) 頭の中将の、すずろなるそらごとを聞きて、いみじう言ひ落とし、「何しに人とほめ...

【頭の中将の】~第八十二段(二)

(二) いみじく憎みたまふに、いかなる文ならむと思へど、ただ今急ぎ見るべきにもあらね...

【頭の中将の】~第八十二段(三)

(三) 皆寝て、つとめて、いととく局(つぼね)に下(お)りたれば、源中将の声にて、「...

【頭の中将の】~第八十二段(四)

(四) 「『ただ、この返りごとに従ひて、こかけをしふみし、すべて、さる者ありきとだに...